殺人タクシー 


「 皆さんは知っていますか?殺人タクシーの噂を。
夜なのにライトも点滅させずに信号待ちをしている
タクシーがあるらしい。
そのタクシーを見たものが餌食になる。
 
次の餌食はあなたかもしれません…… 」
 
その都市伝説を友達から聞いてしばらく経った頃。
俺は深夜にライトを点けていない
怪しいタクシーを見かけてしまった。
 
ライトを点けるのを忘れているだけ。
偶然だろうそう思おうとするが気持ち悪い。
 
信号が青に変わり、そのタクシーとすれ違う。
タクシーの姿は見えなくなり、ただの噂話かと
内心ホッとしていると後ろから車が。
 
良く見るとすれ違ったはずの
無点灯の タ ク シ ー !
 
ついてくる。スピードを出して角を曲がり
振り切ろうとするが一定の距離を保ったまま
すっと、つ い て く る!!
 
俺に都市伝説をした友達に電話をするが繋がらない。
何度かけても話中に。
 
結構長い間走ったのに振り切れない。
家までついて来られそうで気味が悪かったし、
俺は助けを求めにコンビニの駐車場に
車を停め店に駆け込んだ。
 
オカルト話なんて信じていなかった俺は
友達の話をまともに聞いておらず
”してはいけないこと”が分からなかったんだ。
 
タクシーは俺がコンビニに入るや否や通り過ぎた。
コンビニの明るい店内に落ち着きを取り戻し。
俺は再び車に乗って帰路についた。
 
駐車場に車を置いて家まで帰ろうと歩き。
家がもう見える距離。
 
家の前に通り過ぎたはずの無点灯のタクシーが!
タクシーは立ち竦む俺の姿を確認するように。
ゆっくりと”ギギッ”と音を立てドアを開こうと……
 
「 そこまでだ! 」
聞き覚えのある声と共に”バンッ!”と
大きな音を立ててドアが閉められる!
そこには俺の飲み仲間であり。
寺生まれで霊感の強いTさんの姿が。
 
Tさんは長い紙のような何かを懐から取り出す。
良く見るとそれはタクシーの回数券。
 
Tさんが「 破ぁ!! 」と叫ぶと、回数券が光る。
ムチのように光輝く回数券が華麗に宙を舞う!
  

 
そして殺人タクシーを叩いたっ!
 
「 ギャァ--―--------------!! 」
殺人タクシーから人間の断末魔のような
おぞましい叫び声が聞こえた。
 
次の瞬間!眩しい光が辺り一面に弾け!!
 
そこには初めから何もなかったかのように
家の前からタクシーの姿が消えていた。
 
「 Tさん、どうしてここに? 」
 
そう聞く俺にTさんは笑いながらコンビニ袋を掲げ
「明日休みだって言ってたろ。コレに付きあわねぇ?」
 
コンビニ袋を振るとビンや缶のあたる音がする。
 
俺の家に入るTさんを見ながら、
寺生まれってスゲェ!俺はそう思った。